30-23 湘南の恵み
湘南に住んでいると海の恵みを頂く機会が多い。
春にはサーフィン帰りのお隣さんからワカメをお裾分けでもらったり、初夏には定番の潮干狩り、秋には銀杏を山から採ってきたり、冬には海に釣りに行って魚を持って帰ったりしている。
江ノ島でハコフグを釣った時には毒が怖くてすぐに逃してしまったが、隣にいた釣り人によれば、ハコフグは高級魚で、なおかつとんでもなく旨いらしい。
逃す前に言ってほしいものである。
あとはカワハギだとかウルメイワシだとかを釣って帰り、塩を振ってコンロで焼いて食べた。
シンプルだけど素材が新鮮だから余計なことをしなくとも十二分に美味しいのだ。
頂いたワカメは貰った時こそ砂だらけで茶色く、みすぼらしい姿だが、熱湯にさらすと、サッと魔法のように一瞬にして色鮮やかなグリーンに変わる。
それを細かく刻んで、これまた湘南名物のシラスと一緒に酢の物にして和えて食べると抜群である。
もう30年近く湘南に住んでいるが、湘南には絶滅危惧種のアカウミガメが産卵に来るとの驚くべき事実もあり、まだまだ捨てたもんじゃないと思う。
海の恵みを頂き、日々感謝して、人間は自然に生かされているのだということを決して忘れてはならないと思う。